【ユーロヴィンテージ】ユーロワークジャケットとは?歴史とアイテムを解説!

 

 

近年、ヨーロッパ製の古着「ユーロヴィンテージ」が注目を集めています。

19世前後半以降から、労働者の作業着であった「ユーロワーク」は特に人気なってきました。

 

人気になってきているといえど、ユーロワークの種類や詳細などについてを紹介しているサイトやお店はあまり多くありません。

そこで今回は、ユーロワークについてジャケットを中心に解説していきます!

 

 

 

 1.ユーロワークとは? 

 

 

19世紀後半からヨーロッパ諸国で労働者のための作業着として、「ユーロワーク」が使われました。

労働のしやすさのため、ゆったりとしたシルエットが特徴です。

ユーロワークとなると、とても大きなジャンルとなりますが、青いモールスキンのフレンチワークジャケットが代表的なものになります。 

 

 

 

 

 2.ユーロワークの特徴とも言える素材 

 

ユーロワークジャケットの素材には、

 

 モールスキン

 ツイル生地

 

これら2つの素材がよく使われていました。ツイル生地には、コットンツイル、ヘリンボーンツイルといった種類があります。

これらについて、その素材が使われた背景も含め、説明していきます。

 

 

ー モールスキン ー

モグラの毛皮のような感触のある、厚みのある綿素材。モールスキンモール(mole)=モグラ+スキン(skin)=肌という意味です。

 

デニム以上の高い強度

太い綿糸を両面に起毛させ、密度をとても高くしながら織り上げているので強度が高くなっています。デニムやキャンバスよりも丈夫と言われることから、炭鉱などでの重労働向けのワークウェアとして採用されたようです。

 

丈夫なのに柔らかい着心地

表面に柔らかい毛を起毛させ、手触りが柔らかく肌なじみが良い。厚みと不思議な光沢がある生地が特徴で、この柔らかい毛が空気をキャッチし、保温性にも優れています。

 

 

 

ー ツイル生地 ー

炭鉱産業が下降していくと、安価で大量生産が可能な生地へとシフトチェンジされ、ワークウェアにはツイル生地が使われることが増えました。

ツイル生地とは織り方の一種であり、コットンツイルやヘリンボーンツイルと表記されているものが多く見られます。コットンツイルは綿糸をツイル生地に織ったもの、ヘリンボーンツイルはニシンの骨の形に由来する織り方のこと。つまり綿を使ったヘリンボーンであれば、コットンツイルでもありヘリンボーンツイルでもあるということになります。

 

動きやすさを重視した生地

ツイル生地は軽くてシワになりにくく、伸縮性もあるのが特徴です。複数のタテ糸にヨコ糸を交差させているため、強度を保ったまま軽く伸縮性を出すことができます。街などでの労働では、丈夫さよりも動きやすさに重点が置かれたことでツイル生地のワークウェアが多く広まっていきました。

 

 

モールスキンよりも丈夫さはありませんが、安価であり生産量が多いことから、比較的買いやすい価格になることが多いです。

 

一方、モールスキンは丈夫さから今も綺麗に残っているものもありますが、値段が高くなりやすい傾向にあります。

 

 

 3.アイテム紹介 

 

先述した通り、ユーロワークというのはヨーロッパのワークウェアということで、とても大きなジャンルになります。そのためジャケットの他にも、ユーロワークは様々なアイテムがあります。

 

 

ー パンツ ー

 

  

 

コットンツイルやヘリンボーンツイルなどのツイル生地は、もちろんパンツなどにも使われてるようになりました。

こちらはヘリンボーンツイルで、糸の方向が一方向ではなく、交差し、ジグザグと骨のようになっています。ヘリンボーン(herring bone)=ニシンの骨 という意味で、その名の通り編地がニシンの骨に似ていることから名付けられています。

通常のコットンツイルでは、織られた糸の方向が一方向になっているため、均一な印象があります。

 

 

 

ー オーバーオール ー

 

 

 

モールスキンはジャケットだけでなく、パンツオーバーオールにもつかわれていました。

オーバーオールは、パンツの役割と、上半身を汚れなどから守る目的でつかわれており、この上からジャケットを着る人も多かったようです。

 

 

 

ー ブラックモールスキン ー

 

 

 

モールスキンの箇所で紹介したものと同じモールスキンジャケットですが、こちらはスタンダードとされているブルーではなくブラックです。

近年、モノトーンコーデなどもあるように黒のアイテムの需要はとても高くなっています。ブラックモールスキンならば、今の時代でも他の服とも馴染みが良く着回しやすいアイテムとなっています。

 

 終わりに

 

今回はユーロワークの代表的なモールスキンとツイル生地について説明してきました。

 

他にも消防士や電気技師、漁師などが着ていたものもあり、シャツやコートなどのアイテムも多岐に渡ります。

 

モールスキンやヘリンボーンツイルなど、現代の服にはあまり多くない素材が使われているため、独特の雰囲気が出せるのではないでしょうか。